DEGREE ROASTED
焙煎度について
焙煎による香りの変化は食材の成分や化学反応に起因します。このプロセスはコーヒー、茶葉、ナッツなど、さまざまな食材で見られるもので、焙煎の度合いや方法によって異なる香りプロファイルが生まれます。
以下に焙煎による香り変化の主な要因をいくつか挙げてみましょう:
糖分のカラメリゼーション:
焙煎中、食材に含まれる糖分が高温で加熱され、カラメル化反応が起こります。これにより、カラメルのような甘い香りや風味が形成されます。
メイラード反応:
メイラード反応は、糖分とアミノ酸が高温で反応する過程で起こります。この反応によって、焼けたパンや焦げた砂糖のような香りや風味が生成され、食材がより深みのある味わいを持つことがあります。
揮発性有機化合物:
焙煎中、食材に含まれる揮発性有機化合物が熱によって蒸発します。これらの化合物は香りの主要な源であり、焙煎の度合いによって異なる種類の揮発性有機化合物が生成され、香りに影響を与えます。
酸味と苦味:
焙煎度合いが変わると、食材の酸味と苦味も変化します。浅煎りのコーヒーは酸味が強調され、深煎りは苦味が増します。これは、食材内の酸味成分と苦味成分が焙煎中に変化するためです。
香りの複雑性:
焙煎は非常に複雑な過程であり、数多くの化学反応が同時に起こります。その結果、香りは非常に多様で複雑なプロファイルを持つことがあります。
このように、焙煎による香りの変化は食材の成分や化学反応によって生じ、焙煎度合いや方法によって異なる香りが引き出されます。これが、コーヒー、茶葉、ナッツなどの食材がさまざまな風味と香りを持つ理由の一つです。
当焙煎所の焙煎度
LIGHT ROAST
コーヒー豆が本来持つフルーティーで、花やハーブのような香りを楽しみたい方におすすめです。冷めていくと甘みが増すため、少しずつ飲んで味の変化を楽しむのもおすすめです。
MEDIUM ROAST
コーヒーの果実味を失わず、酸味とコクのバランスが良いのが特徴的です。
銘柄によってはナッツ系の香ばしさもあり、コーヒーのもつキャラクターを楽しむにはうってつけの焙煎度です。
CITY ROAST
コーヒーの酸は穏やかになり、苦味・コクが増して味に深みが出ます。後味は、チョコのようなほんのりとした甘さを感じます。
DARK ROAST
苦みとコクがしっかりとしたボディ感にほんのり果実が感じられます。焙煎が進むほどにキャラクターのしっかりしたコーヒー豆でないと、苦みだけのぼんやりとした味わいになってしまいます。
FRENCH ROAST
十分なコクと苦みの中にキャラメルのような甘さも感じてきます。ネガティブな苦みにならないように、メイラードフェーズ以降は丁寧な焙煎管理プロファイルで仕上げます。
明度による焙煎度の評価方法
焙煎後の表面を焙煎所独自のL*abスコアから明度(L*値)を抽出し5段階に分離して焙煎度を評価しています。
酸味と焙煎
酸味と焙煎は複雑な関係にあります。コーヒーの酸味は、焙煎の方法によって大きく影響を受けます。
コーヒーの酸とは、コーヒー豆に含まれる有機酸のことを指し、コーヒーの酸味は、フルーティーな味わいや明るい風味を引き出すことができます。
一方、コーヒーの苦味や渋味は、ポリフェノールやカフェインなどの物質によって引き起こされます。
焙煎が浅い場合、コーヒー豆の酸味が際立ちます。一方、焙煎が深くなるにつれて、酸味は軽減され、苦味やコクが増します。
浅煎りのコーヒーは、フルーティで酸味が際立ちます。
中程度の焙煎では、酸味は依然として存在しますが、苦味が強くなり、豆の風味が落ち着いてきます。
深煎りのコーヒーは、苦味と風味が強くなりますが、酸味はほとんど感じられなくなります。
また、焙煎において、温度や焙煎時間の微調整によって、コーヒー豆の酸味を調整することもできます。例えば、焙煎を早めることで、酸味を増やすことができます。逆に、焙煎を遅くすることで、酸味を抑えることができます。
苦みと焙煎
コーヒーの焙煎度合いが高くなると、苦味が強くなる傾向があります。これは、焙煎度が高くなると、コーヒー豆内部の糖分や酸味が減少し、代わりに苦味成分が増加するためです。
一般的に、焙煎度が低い「ライトロースト」のコーヒーは、酸味が強く、苦みは控えめです。一方で、焙煎度が高い「ダークロースト」のコーヒーは、苦味が強く、酸味が控えめです。
従来、コーヒーの苦味成分の要因としてカフェインだけが取り上げられていました。しかし、実際はカフェインレスコーヒーにおいて十分苦味は感じられます。
また、コーヒー豆の産地が同じで、カフェインの含量に大きな差異がなくとも、浅煎よりも深煎りの方が苦味を強く感じます。このことから、焙煎によってカフェイン以外の苦味成分が生成されていることがわかります。
カフェインは熱に対して安定しており、単独では微弱な苦味であり、他の苦味物質と比較してそれ程強いものでなく、コーヒーの苦味の10%にも満たないとされています。
カフェインよりも強い苦味成分としては、焙煎によるクロロゲン酸の変化や、過熱によって生成するビニルカテコールオリゴマーが挙げられ、これらの存在が苦味の要因として最も有力です。
また、糖類の一部が加熱によって生じるカラメルなどがあり、これらが様々な種類の苦味として感じられていると考えられます。
香りと焙煎
コーヒーの香りの秘密は、コーヒー豆に含まれる多くの化合物によって生み出されます。これらの化合物は、焙煎や抽出時に複雑な化学反応を起こし、コーヒーの独特な香りを形成します。
主な香り成分としては、以下のものがあります。
カフェイン
刺激的な効果があることで知られているカフェインは、コーヒーの香りの主要な成分の1つです。
メチルプリン - シナモンやクローブのような香りがするアルカロイドの一種で、コーヒー豆にも含まれています。
ジカフェオール
キャラメルやチョコレートのような香りがする化合物で、焙煎によって生成されます。
フェノール
トーストやナッツのような香りがする化合物で、焙煎によって生成されます。
アセチルピロール
バニラや甘い香りがする化合物で、焙煎によって生成されます。
これらの成分は、コーヒーを楽しむときに私たちが感じる香りや味わいに影響を与えます。焙煎の仕方や抽出方法によって、これらの成分の量やバランスが変わるため、コーヒーの種類によって異なる香りが楽しめます。
一般的に、焙煎度が低い「ライトロースト」のコーヒーは、鮮やかなフルーティーな香りが特徴的で、焙煎度が高くなると焼けたような香ばしい風味が加わり、芳香成分が減少します。
焙煎度別によるコレクション
CITY ROASTのコーヒー
コーヒーの酸は穏やかになり、苦味・コクが増して味に深みが出ます。後味は、チョコのようなほんのりとした甘さを感じます。