HISTORY

私たちの物語

始まりはガレージから

ダンデライオン・チョコレートは、トッド・マソニスとキャメロン・リング が2010年に創業したBean to Barチョコレートのファクトリー&カフェです。

小さい頃からチョコレートが大好きだったトッドとキャメロンは、IT業界で起業家としての成功を収めた後、転身して友人のガレージを借りチョコレートの実験室を作りました。友人たちに見守られながら、オーブンで豆をローストし、たくさんのチョコレートショップを食べ歩きました。100年以上前からある伝統的なチョコレートのレシピやコミュニティサイトでの情報を元に、ガレージに器械をかき集め、チョコレート作りに没頭しました。その手作りチョコレートは友人たちの評判を呼び、2013年にはサンフランシスコにファクトリーを開くことになります。そこからダンデライオン・チョコレートが始まります。2人はカカオ豆を手に入れるため、ドミニカ、ベネズエラ、マダガスカル、様々な土地に出かけて直接生産者と交渉を行います。機材は中古を手に入れたり、コーヒー豆ロースターを改造したりと様々な工夫を加えていきました。またテイスティングを効率化することや、すべての工程をドキュメント化することも怠らず、多くの人たちの知恵も受け入れました。こうした細かいことの積み重ねの結果、多様性を尊び起業家精神に溢れるサンフランシスコで受け入れられていったのです。

現在サンフランシスコのミッション地区にあるダンデライオンのファクトリーでは、カカオ豆の選別から、ロースティング(焙煎)、摩砕、テンパリングを行い、ひとつひとつのチョコレートバーを手作業で型に流し入れて成形し、包装までを行っています。また、使用するカカオ豆の生産者を全て訪れ、時には発酵から乾燥までのプロセスについて対話を行い、直接交渉を行った上で良質なカカオ豆を買い付け、チョコレートを丁寧に製造することによって、それぞれの豆の独自のフレーバーやニュアンスを引き出しています。

カカオ豆からチョコレートバーへ

世界のほとんどのチョコレートは大量生産で作られているということを、多くの人は意識していません。そうしたチョコレートはいくつかの巨大企業によって提供されています。大きな企業が目指しているのは安定した味とコストです。安価で均一な味のチョコレートを大量に作ることができるのは奇跡に近いことですが、すべてのチョコレートが必ずしもそうである必要はないと私たちは考えます。

チョコレートは発酵と焙煎の両方を行う数少ない食べ物のひとつで、その2つの工程が独特のフレーバーを生み出します。ワインより複雑になると言われているチョコレートの風味ですが、ほとんどの企業は安定性とコストのためにその風味を取り除いてしまいます。そのため、いまだ多くの人はチョコレートの可能性を本当には体験したことがないのです。しかし今その状況に変化が起きはじめました。ヨーロッパのチョコレートに対抗して、アメリカ全土のガレージやキッチンで新しいクラフトチョコレート・ムーブメントが生まれています。小さなチョコレートメーカーたちは長い間チョコレートの世界に欠けていたフレーバーを探求しています。「スモールバッチ」、小ロット生産のBean to Barチョコレートが作られ始めたのです。

Bean to Barとは文字通りカカオ豆からチョコレートバーをつくるまでのすべての工程を一貫して行うことで、ダンデライオン・チョコレートもその一端を担い、サンフランシスコから世界へそのムーブメントを広げようとしています。そして今、サンフランシスコ以外では初めての店を、東京蔵前に開きました。この場所は、歴史とクラフツマンシップに満ちています。この街から、さらにおいしいチョコレート作りを通して、ダンデライオンとチョコレートの新しい物語が始まります。

サンフランシスコから蔵前へ

サンフランシスコ発祥のダンデライオン・チョコレートは、シングルオリジンのカカオ豆の買い付けから、選別、ロースティング(焙煎)、摩砕、テンパリング、成形、包装まで、すべて自分たちの手で行い、チョコレートを作っています。


私たちの初の海外出店の場となった蔵前は、日本の伝統やクラフツマンシップが息づき、ファクトリー&カフェには多彩なバックグラウンドを持つ魅力的な人びとが集まりました。チョコレートの世界を見たい、その魅力を見極めたいという、チョコレートメーカー、パティシエ、バリスタたちです。


それぞれのカカオ豆にあったおいしいチョコレートを作る工程は、とても手間のかかる仕事ですが、職人であるチョコレートメーカーたちと、日々最高のものを求めて精進しています。そして、チョコレートの話のみならず、世界のカカオ農園のこと、カカオ豆のことも、皆さまにお伝えして一緒に考えていきたいと願っています。