弘前市民会館

私たちの「喫茶室baton」は、弘前市民会館の歴史ある空間にあります。
この会館は、近代建築の巨匠である前川國男(1905-1986)が設計した、前川建築を語る上で欠かせない傑作の一つです。


日本モダニズム建築の源流

前川國男は、大学卒業後に渡仏し、日本人として初めてル・コルビュジエに師事した人物です。弘前は、前川の母方の故郷であり、1932年(昭和7年)に竣工した自名義の初作品「木村産業研究所」がある、彼にとってゆかりの深い都市です。
市内には市庁舎や博物館など、計8つもの前川作品が現存しており、一つの街で彼の初期から晩年までの建築の変遷を辿ることができます。


弘前公園に佇む文化の拠点

弘前市民会館は、桜の名所として知られる弘前公園の南西角に、1964年(昭和39年)に完成しました。遠くには岩木山を望む、史跡と老松に囲まれた静謐な地に、前川は「東北屈指の文化センター」の実現を目指しました。


時を経たコンクリートの美

外壁・内壁は、当時まだ珍しかったコンクリート打放し仕上げ。堂々としたその表面には、型枠に使われた木目模様がくっきりと残されています。
無機質なコンクリートに手作業の温かさを感じさせるこの意匠は、力強さと周囲の緑に溶け込むような美しさを生み出し、50年以上の時を超えて、今もなお訪れる人々を魅了し続けています。

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