ニュークロップの季節がやってきました。
新しく届いた豆の評価を進める一方で、焙煎所では生豆の保管庫をリニューアルしています。
現在、ラインナップに入っていないものまで含めると、生豆はおよそ60種類。これだけ増えると、保管庫も単なる「豆を置いておく場所」では済まなくなります。
どこに何があるのか。
どの豆を評価中なのか。
次に焙煎する豆を、いかに迷わず取り出せるか。
日々の焙煎を滞らせないため、保管方法そのものを組み直すことにしました。
猿賀山珈琲焙煎所は、焙煎所としては後発です。
だからこそ、既存の方法をそのまま踏襲するのではなく、自分たちなりの理想の焙煎所をつくろうと考えてきました。その中で取り組んできたのが、できるだけシンプルな考え方で多品種に対応する「ミニマムな焙煎」です。
産地も品種も精製方法も異なる豆を扱いながら、それぞれの特徴をどう引き出すか。
この方法は、多くの種類の豆を扱う現在の焙煎所に合っていたように思います。
ところが、保管庫を整理しながら60種類ほどの豆を改めて眺めてみると、別のことにも気づきました。
ずいぶん偏った豆の集め方をしていた。
新しい香味を探し、気になる精製方法を追い、次の焙煎課題を考える。その積み重ねが、そのまま保管庫の中に現れていました。
焙煎の研究には都合がよくても、コーヒーのラインナップとして考えれば、もう少し広い視点が必要です。
保管庫の整理が、思いがけず自分たちのコーヒーを見直す機会になりました。
そして、見直したのは保管庫だけではありません。
販売サイトについても、「商品が多くて選びづらい」というお声をいただいていました。
確かに、つくる側は一つひとつの違いを理解していますが、一覧に並んだ商品を初めて見る方にとっては、名前だけで違いを判断するのは簡単ではありません。
そこで今回、商品一覧の表示を改修しました。
品名の表記を整理して見やすく統一し、味わいにも大きく関わる精製方法はタグで表示。さらに、それぞれのコーヒーの特徴を一覧上でも確認できるようにしました。
商品ページを一つずつ開かなくても、
「これはどんなコーヒーなのか」
「隣の豆とは何が違うのか」
を比較しながら選べる一覧を目指しています。
60種類の生豆を前にして焙煎所が迷わないように保管庫を整える。
たくさんのコーヒーを前にして、お客様が迷いすぎないように販売サイトを整える。
考えてみれば、この二つはよく似た改修なのかもしれません。
そして、この秋にはもう一つ課題があります。
新しいブレンドを、あと3つ。
その基本となる豆もすでに届き始めています。
単に種類を増やすのではなく、現在のラインナップに何が足りないのかを考え、それぞれにきちんと役割のある3つのブレンドにする予定です。
保管庫を整理したことで見えてきた、これまでの偏りも次のブレンドづくりには生かせそうです。
ニュークロップを評価し、焙煎を試し、組み合わせを変える。
この秋は、しばらく豆と向き合う時間が続きます。
完成の報告ができるまで、もう少しお待ちください。